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本質を捉えるとは構造分解すること【本質を見抜く方法】

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筆者はコンサルタントという仕事柄、よくお客さんから「本質を見る力があるね~」とか言われたりします。褒められるのは嬉しい限りなんですが、

実は「本質を捉える」のには自分なりのコツがあったりします。そのコツさえ掴めば、きっと誰でも本質を見る力が養われると思うのです。

 

今回は、本質を捉えるためのコツについて、普段私が考えているやり方を特別に紹介したいと思います!

 

本質を捉える=構造分解する

本質を捉えるコツを一言でいうと、"物事をあらゆる角度から構造分解する"ということです。

 

1つの物事をあらゆる要素に分解することで、全体の構造を把握することができるため、課題の所在や他の物事と比較したときの類似性など、本質を掴むための手がかりを得ることができます。

 

そして構造分解の方法は1つではありません。"あらゆる角度から"構造分解することができるのです。このように、ある物事に対して複数の観点から構造分解することができれば、よりその物事への理解は深まるでしょう。

 

では先ほどから述べている"あらゆる角度"とはどういうものでしょうか?実は構造分解の仕方というのは、大きく3つの観点で考えることができます。

 

その3つとは「ナカミ」、「ナカマ」、「ナガレ」です。ちなみにこれは一般的なフレームワークなどではなく、私がこれまでのコンサルティング経験の中で編み出したフレームワークなので、ココだけのものになります!ぜひご参考にしてください。

 

また、以降の説明では分かりやすさのために、"リンゴ"を例にして、具体的な構造分解の仕方を説明しようと思います。

 

「ナカミ」で構造分解する

まずは「ナカミ」で構造分解するということについて説明します。漢字で書くと「中身」ですね。意味としては「中に入っているもの」で構造分解するということです。

 

それではさっそく"リンゴ"を例に考えてみましょう。 

 

例えば、リンゴに含まれる栄養素で考えてみます。リンゴを構成する栄養素は主に炭水化物、食物繊維であり、その他にもわずかにタンパク質や脂質、また各種ビタミンも豊富に入っています。

 

リンゴを栄養素というナカミで構造分解するとこのようになります。それぞれの栄養素の割合のように定量的な数値も分かればより詳細な構造分解だと言えます。

 

また「ナカミ」という見方で別の切り口を考えてみます。

 

例えばリンゴの種類というのもリンゴを構成する1つのナカミと考えることができます。この例で言えば、ふじリンゴや津軽リンゴ、ジョナゴールドなどに構造分解することができます。

 

いかがでしょう。「ナカミ」での構造分解について理解いただけたでしょうか?数学的に言えば、構造分解したい物事(今回の例で言えばリンゴ)を"集合"と考えて、それを構成する"要素"を抽出するということです。

 

「ナカマ」で構造分解する

次は「ナカマ」で構造分解するということについて説明します。こちらは漢字で書くと「仲間」ですね。これは先ほどの「ナカミ」で構造分解する時とは逆で、

ある物事が何に含まれているのか、

 

すなわち何の「ナカマ」なのかを考えるということです。

 

それではまたリンゴを例にとって考えてみましょう。リンゴは一体何のナカマでしょうか?

 

まず分かりやすいところで言えば、"果物"のナカマというのが一番に思いつくのではないでしょうか果物にはリンゴの他に、ブドウやバナナなども含まれますね。

 

このように、リンゴを1つの要素としているものは何かと考えることも構造分解と言えます。

 

他の切り口を考えると、例えば、"食べ物"とか、"有機物"、"赤いもの"、"丸いもの"なんてのもありますね。他にもたくさんの見方ができると思うので、ぜひいろいろ考えてみてください。

 

簡単にまとめると「ナカマ」で構造分解するとは、構造分解したい物事をある括りで属性付けするということです。

 

「ナガレ」で構造分解する

最後に「ナガレ」で構造分解するということについて説明します。これは漢字で書くと「流れ」となります。

 

この「ナガレ」という見方は、これまで説明してきた「ナカミ」や「ナカマ」とは違い、ちょっとイメージしづらいかも知れません。簡単な言葉で表現すると、ある物事についてそれを1つのプロセスだと捉え、その前後関係を考えるということとなります。

 

理解を簡単にするためにさっそくリンゴの例で考えてみましょう。例えば"リンゴの調理プロセス"というもので考えてみることにします。単純にカットリンゴを作るまでのプロセスを考えると、まず"皮を剥き"、"カットをし"、"皿に盛りつける"という構造分解をすることできます。

 

このように一連のプロセスをナガレとして理解することができれば、アナロジー化して物事を考える助けにすることができます。これが本質を捉えることにつながるのです。

 

他の切り口で見れば、例えば"リンゴの生産から消費までのプロセス"だったり、"リンゴを収穫する際のプロセス”とかで構造分解することだってできますね。

 

まとめ

以上、構造分解のために普段私が使っている考え方「ナカミ」「ナカマ」「ナガレ」について3つのアプローチを特別に紹介させていただきました。

 

これが少しでも皆さんが本質を捉える上での参考になれば幸いです。それではまた!